ヒロです。奈良県におすまいのミーさん(30代女性)の体験談を紹介させていただきます。
私が彼と出会ったのは、25歳でOLをしている時のことでした。
彼は金融機関に勤めており、時々私の勤務先へ訪れました。来客応対は私が担っていたので、いつも客間へ案内する際に一言二言会話をしていました。
彼は私より5歳年上で、背が高くスリムで清潔感のある爽やかな男性でした。芸能人で言うなら、俳優の高良健吾さんによく似ています。
他の女性社員から人気が高いのもわかる整ったルックスでした。
私も初めの頃は何とも思っていなかったのですが、ある日いつもと同じように客間へ案内する際に、ふいによろけてしまったのです。
その時彼がとっさに私の腕を掴み、大丈夫ですか?と言われました。
その瞬間私の中で何かが弾け飛んだような、頭がポーっとするようなおかしな感覚に見舞われたのです。その時はお礼だけ言って、そそくさと退散しました。
その日以来私の脳裏にはこの時の出来事がグルグルと回り回っていました。
よろけたのを支えてくれただけでときめいてしまうなんて、私はどれだけ単純なのかと呆れてしまうほどです。
もともと外見の良い人が更にかっこいいことをしてしまうと、もう収拾がつかないということがすごくよくわかりました。
でもあれだけのルックスなのだから、彼女の一人や二人いて当然だろうと、それ以上気持ちが高まるのを無理矢理押さえつけていました。
それからというもの、来客応対を避けるため彼がやって来る日は出来るだけ席を外すようにしました。これ以上好きな気持ちが高まるのが怖かったのです。
数ヶ月が過ぎたある日、私がお昼休みに公園にいると後ろから声をかけられました。
振り返ると彼が微笑んで丁寧にお辞儀をしました。私は驚きのあまり持っていたおにぎりを下に落としてしまい、彼はそんな私を見て可笑しそうにしていました。
彼の表情を見て私も思わずプッと吹き出してしまい、二人で笑い合いました。
彼は、隣良いですか?とベンチを指差し、私が頷くと腰を下ろしました。
そして落ちたおにぎりを拾い上げ、「おむすびころりんですね」とまた笑いました。
わたしは少し間を空けて彼の隣に座りました。
「良い天気ですね」、から始まり他愛ないやり取りを数回しました。しばらく妙な沈黙があり、わたしは少し焦って「ではまた」と去ろうとすると彼が口を開きました。
「案内してくださる方、変わったんですか?」
わたしは驚いて彼を見ました。彼は、少し恥ずかしそうに俯いていました。私はなんと言って良いかわからず黙っていると、彼が「あなたとの会話はとても楽しいです。」と言いました。
内心これは夢ではなかろうかと思うほど嬉しかったのですが、恋愛経験の少ない私はただただ恥ずかしく俯向くだけでした。
彼は腕時計に目をやり、何かを決心したようにウンと頷きました。そして、今度食事でも行きませんか?と誘われたのです。私は嬉しさのあまりその後のことは途切れ途切れにしか覚えていませんが、しっかり連絡先を交換したことだけは記憶にあります。
そこから彼との恋愛が始まりました。
何度か食事へ行き、そのうち夜景を見に行ったりアミューズメントパークへ行ったり楽しい時間を過ごしました。
彼は知れば知るほど素敵な男性で、優しく穏やかで一緒にいるだけ好きになってしまいました。本当にこんな気持ちになったのは初めてです。
私はずっと女子校育ちだったので、男性と付き合うことはほとんどありませんでした。付き合った人はいますが、会話が弾まなかったりして自然消滅した経験で終わりです。
こんなにドキドキして楽しくて夢のような時間を過ごしていることに感謝し、幸せいっぱいでした。
いつになったら告白してくれるかな?なんて甘い期待を胸に秘めていました。
それで、今後の展開が知りたくて、懇意にしてる占い師の月凰(つきおう)先生に鑑定してもらいました。
しかし、結果は、私の期待したものとは大きく違うものでした。
そして、占いの結果の通りのことが現実に起きてきました。
嘘だ!外れて欲しい!そう願っていました。
彼には告白をされる、はずだと信じていました。
でも思ってもみない告白に私は絶句するしかありませんでした。
彼の告白というのは、愛の告白ではなく自分には婚約者がいるという壮絶なものでした。
残念なことに占いの結果通りでした。
私は言葉が出ずにただただ彼を見つめるばかりでした。
彼はあくまで友達として私と食事へ行ったりしていたことをその時初めて知りました。確かに恋人同士がするようなことは一切していません。それでも毎日メールや電話をしていましたし、付き合いたいというようなニュアンスのことは言われていたので、私はついつい思い上がっていたのです。
ショックでその場に立ちすくむ私に彼は悲しそうな眼差しを向けました。
そして、彼は私を好きだと言いました。でも婚約者を裏切ることができずに辛いと。私は更にどうして良いかわからず、とにかくその場は泣きながら帰りました。
しばらく彼から連絡がきても返事をしませんでした。毎日泣いて食欲もなく、すごく痩せました。友人からも心配されるほどでした。
しかし私は、彼の私への好きだという告白を忘れることができませんでした。
それで、再び月凰先生に鑑定をお願いしたのです。今度はただ未来を占ってもらうのではなく、波動修正と送念もお願いしました。
その後、私は意を決して彼に連絡をとりました。そして、私と一緒になってくださいと言いました。彼はその言葉を聞くとすぐに私に会いに来てくれ、二人で抱き合いました。
その後,彼は婚約者と話し合い、別れることになりました。それからというもの彼と幸せな日々を送っていますが、やはり時折罪悪感に打ちのめされそうになる時があります。
もしかすると私に秘密で婚約者とまだ続いてるのではと疑心暗鬼に陥ることもあります。
でも、私は後悔していませんし、とても幸せです。彼もまた幸せだと言ってくれています。