横浜に住むハルナです。
あれは私が19歳の時。大学1年生のクリスマスでした。
私が通っていた大学は圧倒的に男子が多く、そのせいか周囲の女の子は続々と彼氏ができていました。
私も入学早々、2歳上の先輩に交際を申し込まれたのですが、私の両親は男女交際に大反対。
学生のうちは学業に打ち込むべし!という、両親の考えに毒されていた(?)ので、結局誰ともお付き合いすることなく冬を迎えました。
12月に入った頃、いよいよ私は「きっと私は1人でクリスマスを過ごすんだろうな」と覚悟を決めるようになってきました。
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同じサークルの友だちは、口には出さないものの「彼氏と過ごす」というハッピーオーラが全身からあふれていました。
1人で過ごすであろうことがほぼ決定していた私は、そんなみんなの様子を孫を見るような目で見守っていました。
でも、やっぱり寂しかったんでしょうね。
実はサークルにもう一人、彼氏のいない女の子がいたんです。
彼氏がいないのが不思議なほど美人な子でしたが、その子と私は意気投合しました。
クリスマスイブの夜に、2人でカラオケに行こう!と約束しました。
カラオケが大好きな私は、それまで家で練習練習。
当時流行っていた歌を次から次へと、家で歌いまくっていました。
そしてクリスマスイブを数日後に控えた夜。
私は急激な寒気に襲われました。コタツに入っていてもどんなに暖かい服を着こんでも、歯がガタガタガタガタ震えるほど寒いんです。
そう、もうおわかりでしょう。
私はクリスマス直前にインフルエンザにかかってしまったのです。
そんなことになってしまったら、当然友だちと遊ぶわけにはいかず、すぐに連絡をしました。
「ごめん、インフルエンザになっちゃったみたい・・・ごめんね」
「えっ? 大丈夫? うん、いいよ、お大事にね」
電話でそんな会話をし、とにかく栄養をとり安静にしてインフルエンザを治すことに専念しました。
クリスマス当日も、私はグッタリした状態で寝込みつづけ、もはや世間で何が起きているかもわからない状態に。
友達に申し訳ない思いを抱えながらも、「今年のクリスマスは最悪!」とひたすら布団にもぐりこんでいました。
やがてインフルエンザもなおり、年も明け、後期試験のために大学に行くと、学食におなじみのサークル員が集まっていました。
そのなかの男子サークル員が、私にこんなことを聞いてきました。
「クリスマスは、どうしてたの?」
私は「彼氏がいない私にそんなことを聞いてくるなんて、何て失礼な人なのかしら!」と腹が立ちましたが、私は正直に答えました。
「インフルエンザで寝てたよ」
と。
続けて、その男子はこう畳みかけます。
「えっ? 〇〇ちゃんとカラオケ行ったんじゃなかったの?」
なぜそんな情報をつかんでいるのか不明でしたが、私は仕方なく答えます。
「インフルエンザで1人で寝込んでて、辛かったよ」
と。
するとその男子は、さらにこう言ってくるではありませんか。
「君はインフルエンザで寝込んでいるという、やることがあったかもしれないけど、元気なのに1人で過ごさなきゃいけなかった〇〇ちゃんはどうするの? かわいそうじゃん」
と。
その言葉を聞き、私は何だか情けないやら腹立たしいやらで、さらに答を返す気は起りませんでした。
確かに彼の言うことに一理あるかもしれませんが、何でそんなことを言われなければならないのかと理不尽な思いでいっぱいでした。
(後になって、その男子が実は私のことを好きだったらしいと聞かされましたが、正直に言って「冗談じゃない!」と思いました。プンスカ)。
私は決めました。翌年のクリスマスこそは絶対に好きな男性と過ごそうと。世界中を敵に回してでも(大げさ)、彼氏と一緒にクリスマスを過ごすんだと決心したのです。
でも、結局そうすることはありませんでした。
なぜなら、私に好きな人ができなかったから。
1人でクリスマスを過ごさざるをえなかった一番の原因は、他人に心を開けない私自身にあったんでしょうね。
しかし、今は、クリスマスを夫と子どもと共に過ごすことができて幸せです。
タイムマシンで当時の私に「その後、必ず幸せになるから大丈夫だよ」と声をかけてあげたいです。
そんなことを考えていたら過去の私のような女性を見付けました。