管理人のヒロです。沖縄県の20代女性 ミサトさんの体験談です。
これは私が18歳の頃、病院に看護師見習いとして就職した頃の話です。
同じ看護師見習いの同期には女の子が多く、みんな同い年で同じ寮に入っていたこともあり、毎日のように仕事のことや恋愛の話をして、とても仲良くしていました。
特に出身地が近いこのみとはすぐに意気投合し、一番の仲良しになりました。
このみは病院で働き出して4ヶ月くらい経ったころから、理学療法士の広末さんという先輩と付き合いはじめました。
ある日「紹介したい人がいる」といわれ、このみたちカップルからご飯に誘われました。
言われるがままついていくと、そこに居たのは理学療法士の原田さんでした。
原田さんと私たちは同期入職だったのですが、彼は大学を卒業していたので、当時23歳でした。
病院ではクールでおとなしい印象の原田さんでしたが、プライベートで会うととても気さくで話も面白く、私は好印象を持ちました。
おまけに、一緒に働いていたときには全く意識していなかったものの、彼は身長が高く、芸能人の仲村トオルに似ていて私のタイプそのものでした。
その日、別れる頃には私は完全に恋に落ちていました。
それから病院の中で会うたびに会釈をしたり、たまに他愛もない話をして笑ったりしました。
たまにこのみたちカップルと出かけたりもしましたが、お互い個人的に連絡をとることはほとんどないまま数ヶ月が過ぎました。
元々好きな人ができても自分からアプローチをする方ではなく、相手からの誘いを待つタイプだったので、毎日毎日今日こそは勇気を出そうと自分に言い聞かせましたが、なかなか自分から彼を誘うことができませんでした。
しかし、12月29日。
それは私にとって仕事納めの日でした。
今年中になんとかしよう!そう決意して、彼に誘いのメールを送ることができました。
彼からの返事は短いものでしたが、12月31日に二人でドライブに出かけることになりました。
え…大晦日!?とも思いましたが、彼からのせっかくの提案に賛成しました。
大晦日の夜20時、晩御飯を済ませて部屋で待っていると、彼が迎えに来てくれました。
それからコーヒーショップで暖かいコーヒーをかってくれて、いつもどおり他愛もない会話で緊張している私を和ませてくれました。
いつもどおり気さくに話してくれて嬉しい反面、私のことどう思ってるんだろう?意識してるのは私だけなのかな…と、とても不安になりました。
なんだかんだで3時間くらいの時間が経ち、そろそろ帰ることになりました。
結局彼の気持ちは全くわからないまま、少し残念な気持ちで助手席からの景色を眺めていました。
すると彼が、「そういえば昨日佐々木希が昨日がテレビに出てて、すごい似てるよね!」と言いました。
冗談だろうと思った私はいつもの調子で「えー嬉しい!佐々木希10回殴ったって感じー?」と返すと、
彼は「かわいいよ。」とだけ言って何食わぬ顔で運転を続けました。
私は色々な気持ちが混じって、何も言えなくなってしまい、沈黙のまま私の住んでいる寮の前に到着してしまいました。
時計を見ると23時58分。
「あ、年明けるね」
と私が言うと、彼が
「せっかくだから一緒に年越そう。」
と言ってくれました。
その日はそのまま別れ、その後も何度かこのみたちカップルに誘われて遊んだりもしましたが、結局彼の気持ちはわからないまま私は病院を辞め、彼とも音信普通になりました。
付き合うことはできなかったけど、違う人と恋愛をして結婚した今でも、たまにあの時のことを思い出すとキュンとします。