鹿児島にすむキミエです。
昔から父親の言うことが全て、といった家庭で育ってきました。
外面のいい父親だったので周りは信じてくれないことが多いですが、私が物心ついた時には既に父は母に対して暴力ともとれる行為をしていたのを見てきました。
味噌汁が熱いからという理由でその味噌汁を母の頭にかけていたのを見たのは幼稚園の頃です。
当時の家族構成は父、母、姉、兄、私でした。小学校に上がる頃には父方の祖父と祖母と一緒に暮らし始めました。父のいきすぎた行動が自分にも降りかかるようになった頃、当時の私は中学生でした。父は自分の会社の社長をしており、まだ40代でした。
家族と住んでいた住居は一戸建て。古いながら大きい家で、子ども部屋は各一部屋あり広かったです。祖父と祖母に入ってくるお金が多かった為に途中でリフォームして建て直しましたが、費用がいくらかかったのかは分かりません。
幾つか覚えている暴力的だったことを書きます。
私と父、母の3人で車で出かけていたかえりのことです。とても狭い曲がりくねった先の見えない田舎道を、突然怒りだした父が100キロ近くも速度を出して乱暴に走行。対向車が来たら確実に正面衝突で死んでいたと思います。運良く事故も起こらず済みましたが、散々長い時間暴れられた恐怖から涙が止まりませんでした。直接的な危害はなくとも、あの時もし歩行者を事故に巻き込んでいたら、あの時もし崖の下に落ちていたら、など考え出すと今でも車でその道を通るのはトラウマになっています。
また、父の友人が亡くなった時も父は酷く取り乱し、家族に当たり始めました。自分も死んでやると自暴自棄になったように包丁を持って暴れ出し、近寄ることもままならず恐ろしい思いをしました。結局酒を飲んでいたせいか時間が経てば収まることは収まりましたが、室内の家具はもちろん窓ガラスも割られてヒートアップする父に関わりたくないという気持ちが芽生えました。
それからというもの、物に当たるのは日常的になって、軽い物はぶつけられるようになりました。
一番怖かったのは重いガラスの灰皿を顔に向かって投げつけられた時です。当たりはしなかったですが驚く間も避けることもなくお皿や包丁が飛んできました。
その時は祖父も居たので一応止めて下さったのですが、一度怒り出すと体格もいい暴れる父を完璧に止めれる人は家族内にいませんでした。こんなに理不尽に頻繁に暴れていても、祖母はいつも父の味方で、悪いのは私や母だと言い切りました。何の気持ちも読み取ろうとしてくれませんでした。それを何度も見てきたので、私は祖母とは血が繋がっていない全くの他人だと思って割り切ろうと思いました。いつもお父さんは偉いんだよ、お父さんお父さんと言われて祖母にまで嫌な感情を抱くようになっていました。
その後も一緒に暮らす中で父は何かと不安定でした。
一度逆らった際に、首根っこを掴んで庭へと引きずり出されたことがあり、真冬の外で大きい石も置いてある中,あまりの怖さに失禁寸前でした。
殴られたりすることは無いものの服で首が締まり、力もとても逆らえるものではなく、なすがままでした。
父は暴力的なDV以外にも精神的にも追い詰めるようなことを多々浴びせてきました。
まず、必要最低限に出掛けることを許してくれなくなりました。田舎のため、車が無ければ遠出は出来ずひたすら家でいる時間が長かったのを覚えています。
父が帰ってくる車の音で逃げるように布団に入り込んで極力寝るようにしていました。
結果、母が長年考えていた離婚が弁護士を通じて成立したので、そこからは私も別居という形で離れることが出来ました。
絶対に父のような人とは結婚しない、と頑なに思っていましたが成人を過ぎ付き合うようになった彼氏は父のように暴力的な人でした。
私は20歳、彼も同い年。アパートで一人暮らしをしていた頃のことです。
日頃から喧嘩になるようなことがあれば髪を引っ張る、体を蹴るは当たり前。気に食わなければ煙草を押し付けられそうになり、すぐに別れることになりました。人は見かけによらないと思い知りました。しかし、その時も私は何も出来ませんでした。いざ手を出されるとやり返そうにもその後が怖くてどうしても体が動かないのです。ただただ泣いて耐えるだけだったので、自分の無力さに酷く落ち込みました。自分以外にも彼の友達が居る前で暴力を受けたことがありましたが、その友達も笑ってふざけているだけで助けようとしたり、止めてくれることはありませんでした。お金にだらしない面もあり、いつも貸していたお金は最終的には返ってはきていません。
それからというもの優しい人にばかり惹かれていましたが、結局また似たような男性と2度目のお付き合いすることになりました。
その方は自分より一回りも年上で、普段は落ち着いていてすごく優しい人でした。
しかし口喧嘩の末に私が家を出ていこうとした時に、顔スレスレに壁を殴ったのです。薄い壁だったのか穴が空いてしまい、驚いている間に腕を掴んで床に倒されて蹴られました。その後も逆に家を飛び出ていった彼は金属バットで家の倉庫をフルスイングで殴り始めました。夜中だったので近所迷惑もあるため、それを止めようと近寄った際に肩を打撲しました。この時は二人きりだったので自分達だけで解決するしかなかったのですが、誰か第三者が居てもきっとどうにもならなかったと思います。彼の家族の方から話を聞くと、昔から父親に暴力を受けて育っていたと聞きました。もしかするとその環境が大人になった今同じように繰り返してしまっているのかもしれないと感じました。
こういった話を友達にするとよくありえないと言われます。
暴力なんか振るわれたことが無いのが普通だと、私の彼はおかしい、と。
そう言って親身になって相談に乗ってくれる友達ですが、もし彼女が私と同じようなことをされた時に何か抵抗出来るのだろうかと考えました。
多分、出来ないと思います。人には恐怖という感情があります。痛い、怖い、といった感情が染み付いてしまうと思うように動けないのではないかと思います。
少しでもDVを受けている自覚がある方が居たら、正式な相談所に電話するように伝えたいです。