管理人のヒロです。今回は宮城県にお住まいのアズサさんの体験談を紹介させていただきます。
当時、私は高校を卒業したばかりの19歳でした。老人ホームで介護士として勤務していました。
毎年決まった時期になると、老人ホームに教師になる事を夢見る大学生の実習生が来ます。仕事内容や、社会福祉の理念について学びに来ているらしく
彼もそんな一人として、私の働いている老人ホームにやって来ました。
それと同時期に老人ホーム内の催し物で、音楽会を開催することが会議で決定し、私は特技がギターだったのでお年寄りが好む昔懐かしい曲を演奏する事になりました。
音楽会の企画担当の上司が私に「実習生の彼もピアノを弾くことができるらしいから二人でセッションをしてみてはどうか」と言ってきました。正直私は話したこともない実習生といきなりセッションしろと言われて嫌な気持ちしかしていませんでした。ですが当時新人介護士であった私は断ることもできずに嫌々了承しました。
実習期間は7日間あるので、その7日間のうちの6日目に音楽会が開かれる事になっていたので二人で練習をし始めたのが出会いです。
私の身長は158センチ、体系は痩せている事もなく特別太っている訳でもなく、普通です。
バストサイズはEカップです。芸能人では指原莉乃さんや新垣里沙さんに似ていると言われます。
相手の男性は,身長はだいたい175センチくらい、体系は細身で少し筋肉がありました。顔は芸能人の溝端淳平さんにそっくりでした。
大学生だったので会社に勤めていた訳ではないですが、実習生でした。お年寄りへの接し方をよく知っていて、介護士に向いているとても優しく、思いやりのある好青年でした。
上司に無茶ぶりをされた私たちは早速、練習を始めたのですがもちろん会話はしなければならず、名前や出身地について話していると、私よりも2つ年上の同じ中学校の先輩であったこと。それともう一つ、私の同級生のお兄さんであることが発覚しました。
それで緊張感もほぐれ、一気に親近感が沸き練習だけの会話だけではなく、プライベートな会話をするようになりました。
無事音楽会が終了した実習6日目に彼の方から「無事成功したお祝いに一緒に食事でもどう?」と誘われました。私には高校時代からずっと付き合っている彼氏がいたので、食事のお誘いは丁寧にお断りしました。
そして実習最終日。入居者の高齢者の方たちにお別れの挨拶をしながら、感極まって涙を流しているのを見て心が温かくなりました。そして職員にも挨拶をしてまわっている時に私のところへ来て、小さな紙切れを手渡してくれました。
仕事が終わり、ロッカールームで中身を確信すると彼の連絡先が書かれていました。彼氏がいたのにも関わらずドキッとしてしまい、帰宅後、彼の連絡先を追加し、連絡をして一度食事に行きました。それきりでした。
それから1年後私は彼氏と別れました。同時にふと、実習生の彼のことを思い出してしまいました。一年以上連絡を取っていなかったので気が引けましたが
容姿端麗で有名な大学に通っていた彼と付き合えたら、、、と思い、思い切って連絡をしました。
食事の約束をして、二人で近状報告をし合いました。趣味が都市伝説や未確認飛行物体や生物の本やテレビ番組を見たりすることで、私も偶然同じジャンルが好きだったので会話はすごく盛り上がりました。なかなかマニアックな内容の趣味なので友人にも理解してもらえない事が多く、共感できる人がいるだけでとても嬉しかったです。
それからグッと関係が近くなり何度も食事に行きました。
私はお洒落なお店が苦手だったのですが彼のチョイスするお店も気取っていない雰囲気のお店ばかりで魅力的でした。食事だけではなくて、博物館や水族館デートに行ったりもしました。
その中で彼がお年寄りに抱いている心優しい感情や、小さな子供への態度が本当に素晴らしく私はいつの間にか、どんどん彼のことが好きになっていってしまいました。
いつものように仕事をしていたある日、私は彼に告白することを決意しました。「大切な話があるので仕事が終わったら待ち合わせ場所に来てほしい」と連絡を入れました。いかにも告白をするだろうと思わせる文面で打ったのは、突然好きだと言われても困るだろうし、いつも会っている時の雰囲気はとても楽しげなので、告白をする雰囲気ではなかったからです。
その日は雨で、待ち合わせ場所まで車で向かった私は車の中で彼の到着を待っていました。
彼から連絡が入り、私の車の中で話をすることになりました。
告白の言葉はストレートな方が伝わるだろうと思い「好きです。付き合ってくれませんか?」と気持ちを伝えました。
私の告白を聞いてからしばらく経って彼が口を開きました。「ありがとう。気持ちがすごく嬉しい。正直、君が僕のことを好きでいてくれている事はなんとなくわかっていたよ。でもごめんね。僕はもう君のことを妹としか見れなくなってしまっている。僕からあの時、連絡先を渡して思わせぶりな態度をとったのに申し訳ない。あの時は恋愛感情に近い感情があったけど一年何もなくてそれからもう一度出会ったら、いつの間にか僕にとっての君は妹みたいに可愛い存在になってしまっていた。本当にごめんね。」と言いました。
異性に振られたことが初めてだったので、とてもショックは大きかったです。その場で泣きそうになりましが、グッと我慢をしました。そして、これ以上同じ空間にいることが辛かったのですぐに別れました。
自宅に戻り、泣きました。正直、相手も私のことを好きでいてくれると思っていたから余計に辛かったのです。何度もデートに行ったし、ドライブにも食事にも行ったのにあの時の笑顔も優しさも私に対する恋愛感情からくるものだったのではなく、可愛い妹のように感じていただけだったのかと思うと、一人で舞い上がっていた自分が恥ずかしくなりました。それと同時に自分に腹が立ちました。
終わってしまったことを何度考えても後悔しても元に戻るはずもなく、途方にくれました。頭の中では(1年前のあの時に彼氏とすぐに別れて、彼の誘いを素直に受け取っていたら振られることもなかったのに)と後悔ばかりでした。
容姿もとてもかっこよく、ファッションセンスも抜群で頭も良くて、内面もとても優しい完璧な男性でした。優しかったからこそ、私の恋愛感情に気づいていても誘いを断れなかったんだと思いました。
あれから4年が経過し、私は別の男性と幸せな結婚生活を送っています。当時振られた彼とは関係が悪くなることもなく、今でもたまに食事に行ったりするほど仲が良いです。
彼は私を妹のように可愛がってくれますし、私も兄のように慕っています。どれだけ時間がたっても、他に好きな人ができて結婚しても、どうしても彼とのことは忘れられません。それだけ私にとって辛い経験だったのです。