女から告白,男の気持ちは?

管理人のヒロです。今回はハルさんの体験談を紹介させていただきます。

今年29歳になる私には未だ忘れられない「失恋体験」があります。
私がまだ若くて怖いものナシだった22歳の頃。当時、特にやりたいことがなかった私は飲食店でホールスタッフのアルバイトをしながら生活をしていました。

私が働いていた飲食店は夜18時~朝方4時まで営業しているこじんまりとした定食屋さんで、店主のおじさんの人柄と味には定評があり、夜のお仕事をしている人達が仕事終わりにお腹を満たしにくるようなお店でした。
そんなお店で働き始めて半年が経った頃、お客さんには徐々に顔を覚えていただけるようになり、身長168センチで黒髪のセミロング、そしてタレ目で少しだけしゃくれている顎が特徴の私は「綾瀬はるかに似ている」と言われ、あだ名が本名とは全く関係のない”はるちゃん”の愛称で常連のお客さん達に可愛がってもらっていました。中には愛称の由来を知らずに私が本当に”はるか”という名前だと思って呼んでいた方もいたと思いますが…。

常連のお客様の中にはホストクラブに勤めている男性が多く、そういった方が来店されると店内はたちまち賑やかになっていたのですが、ホスト集団の中に唯一あまり言葉を発さず、周囲の会話に合わせてニコニコしているだけのMさんという男性がいました。Mさんは身長が170センチ前後で私がヒールを履けば追い越してしまうほど小柄な男性。体系も細身で頼りない印象でした。でもホストをしているだけあって顔はとても格好良く、ジャニーズの”山下智久さん”にすごく似ているなぁといつも思っていました。
ホストをしている男性はとてもお話上手で、たかが定食屋アルバイトの私相手にも褒めてくれたり、ノリ良く会話を盛り上げてくれる方がほとんどだったのですが、Mさんは控えめな性格なのか、単に面倒臭かっただけなのか、自分から私に話しかけてくるようなこともなく、オーダーを聞きに行く時と、注文されたものを運ぶ時だけ「ありがとう。」と一言告げるだけでした。一緒に来る仲間との温度差やノリが違いすぎて、なんとなくいつも気になる存在でした。
ある日、たまたまアルバイトが休みで暇だった私は、女の子の友人を誘って飲みに繰り出すことにしました。

2人でチェーン店の居酒屋に入り、お酒を楽しみながら友人と互いの近況報告をしたり、恋バナをして楽しんでいました。
お酒を飲み始めてから2時間半ほど経った頃、そろそろ次のお店に移動して飲みなおそうということになったので会計を終えて退店し、飲み屋街をウロウロしながら次のお店選びをしていました。久しぶりにお酒を飲んだということもあってほろ酔い気分の私は足元が少しフラフラしてしまい、友人が心配して腕を支えて歩きながら「今日はもうお開きにしようか。」と言っていたのですが、テンションが上がっていた私はまだ帰りたくなく、「もう一軒いこうよ!」と友達に無理を言って飲み屋街の更に奥へと歩いていきました。
すると、50メートルほど先に黒いスーツを着た男性が立って私のほうを凝視していることに気付きました。

酔いながらも自衛本能が働き、クルッと後ろを向いて今まで歩いてきた道を戻ろうとした時、「はるちゃん!」とその男性が呼びかけてきたのです。
”はるちゃん”と呼ぶということは、アルバイト先のお客さんであることは間違いないと分かったので少し安心して声をしたほうを向くと、その声の主はホストクラブで働いているあのMさんでした。アルバイト先の定食屋さんに来た時に”はるちゃん”だなんて一度も呼ばれたことはなかったので驚きつつ、何をしているのか聞くとお客さんを捕まえるためにキャッチという名の客引きをしている最中とのこと。「俺、人見知りだからキャッチとか苦手なんだよね…。」と苦笑いで話すMさんに対して、友人が突然「じゃあ私たち、お店に遊びに行ってもいいですか~?」と言いました。

私はホストクラブなんて行ったことがなく怖い世界とばかり思っていたのですが、友人は数回行ったことがあったようで、慣れた感じでMさんに料金の確認をしていました。初めてMさんのお店に行く私達は初回料金1,000円で行けるとのことだったので、”他のお店に行って飲みなおすより楽しそうだし、安いからいっか~”と思った私も友人の提案に承諾しました。

Mさんのうしろを着いてお店に足を踏み入れると多くのホストが並んで出迎えてくれ、薄暗い店内にはチラホラと数名の女性客が座っていました。どの女性も綺麗で、今さら場違いのところにきてしまったと少し後悔しながら席に着いてしばらく待っていると、Mさんがお酒を持って私たちのテーブルに登場しました。

「大丈夫?緊張してる?」とMさんが優しく声をかけてくれたのを機に、定食屋さんに来た時にはしないような話しをMさんとたくさんしました。あまり普段喋らない印象のMさんが穏やかな声色でいろいろ話をしてくれたのが嬉しくてつい私もしゃべりすぎてしまい、躊躇してお店に入ったわりには決められた時間が経つのがすごく早く感じました。帰り際、きっとマニュアルだったのでしょうが、Mさんが「連絡先を交換しようよ。」と言ってきたので、電話番号とメールアドレスを交換したのち、その日は帰宅しました。
次の日の朝起きると早速Mさんからお礼のメールが入っており、文末には「またはるちゃんのバイト先にお邪魔するね。」との一文が入っていまた。ホストとはいえイケメンで優しいMさんとメールしていることが嬉しくて、ドキドキしながらメールを返信しました。

そこから毎日のようにメールをするようになり、アルバイト先にMさんが来た時は仕事が手につかなくなるほど浮かれていました。

でもMさんにとって私は所詮数多くいる客の中の一人…。

分かってはいたものの日を追うごとにMさんへの想いが膨らみ、メールだけでは満足できなくなった私は再びMさんのいるホストクラブへ行きました。
前回のように初回料金では済まされないので、アルバイトで稼いだお金を少し多めに持っていったのですが、私がしがないフリーターということを知っているMさんは高いお酒を無理に飲ませたりしようとはせず、反対に一番安いお酒を注文して一緒に飲んでくれたのです。

その行動を見てMさんへの”好き”という気持ちを改めて自覚することになりました。
2度目の来店以降は私もお店に行くことに慣れ、時間を見つけては遊びにいくようになりましたが、特にMさんとの関係に発展はなく、いつも楽しく会話をしながらお酒を飲むばかりでした。

Mさんに会うたびに恋心が止まらなくなってしまった私はある日、遂にMさんに告白をしようと決心。勘違い女だと思われてもいい、振られてもいい、でも今この気持ちをMさんに伝えなければ一生後悔すると思ったのです。
Mさんはいつも17時には家を出てお店に向かうことを以前メールで聞いていたので、勇気を出して「出勤前に少しだけ会えませんか?」とメールを送りました。するとすぐに「いいよ。せっかくだからご飯食べながらにしない?」と返信があり、思いがけずMさんとご飯を食べにいくことになりました。

Mさんがオススメしてくれた中華料理屋さんで食事をしながらたわいない話をしましたが、これから告白をしようと思っている私は緊張のあまりMさんと何を話しているのか全く分からないパニック状態でした。
ご飯を食べ終わり、「そろそろお店に行かなきゃ。」というMさんに一言、「私、Mさんのこと好きです。」と告げました。


本当はもっとロマンチックな場所で告白したかったし、色々告白のセリフも考えていたけれど、その時の私にできる精一杯の告白がそれでした。

Mさんはぽかんとあっけにとられたような表情でしたが、次第に表情にいつもの笑顔を浮かべて「ありがとう。」と言いました。確かに”付き合ってほしい”と告白のセリフには入っていなかったけれど、あまりにも短いお礼だけの一言に私もつい黙って下を向いてしまいました。すると私の様子を見ていたMさんが「その好きって、俺と付き合いたいってこと?」と聞いてきたのですが、頭の中が真っ白の私はせいぜい首を縦に振るだけでした。Mさんはしっかりとした眼差しを私に向けながら「答えは少し待ってほしいんだ。ごめん。」と申し訳なさそうに言い、席を立ってお店に向かっていきました。

告白してから2週間後のこと、Mさんから1本のメールが入りました。内容は告白の返事。
私の気持ちがとても嬉しかったこと、本当は早くホストを辞めたいこと、でも家庭の事情でお金が必要だからすぐには辞められないことが書いてあり、一番下に「ホストをやっている自分ははるちゃんのことを幸せにできないと思う。だから付き合えない。ごめん。」というようなことが書いてありました。もともと振られるのを覚悟で告白したとはいえ、それが現実に起こるとやっぱりとても悲しくて自然と涙が溢れてきました。

Mさんが私のことを一度でも客としてではなく、ひとりの女性として見て付き合うかどうかを考えてくれたかは謎ですが、Mさんの優しさに嘘はないと今でも思いますし、そんなMさんに恋をした自分のことは後悔していません。
今となってはもう連絡も取っていまいのでMさんが果たして本当にホストを辞めることができたのか、どこで何をしているかなど詳しいことは分かりませんが、どこかで元気に暮らしていてくれたらいいなぁと思っています。

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